食事記録が続かない、いちばんの理由

食事の記録を、一度はやってみたことがあると思います。そして、たぶんやめています。
わたしもやめました。アプリを入れて、最初の 3 日は律儀に入力して、そのうち「後でまとめて入れよう」と思って、そのまま開かなくなりました。
このとき人は、だいたい自分を責めます。意志が弱かった、と。でも、やめた理由は意志ではなく、手順の数にあると思っています。数えてみます。
手順を数えてみる
朝ごはんに、目玉焼きとカフェオレとサラダを食べたとします。
よくある記録アプリだと、こうなります。
- 「目玉焼き」を検索する
- 候補から選ぶ
- 量を指定する
- 確定する
これを 3 品ぶん繰り返すので、12 回の操作です。1 品あたり 4 回。
ひとつひとつは大した手間ではありません。検索は数秒で終わるし、量も「1 人前」を選ぶだけのことが多い。
問題は、これが毎日 3 回あることです。
1 日 3 食で 36 回。1 年続けると——
年に 13,140 回。
検索して、選んで、量を決めて、確定する。この4つを、1年で1万3千回です。1回 20 秒で済んだとしても、年に 73 時間になります。
ここで考えたのは、1 回の入力を十分に速くすれば、1 日分をまとめて 1 回で済ませても負担にならない、ということでした。
検索して選ぶ入力では、3 食分をまとめると 36 回の操作になり、まとめるほど重くなります。声なら逆です。「朝はトーストとコーヒー、昼は唐揚げ弁当、夜は焼き魚定食」と一息で言えば、1 日分が 1 回で入ります。1 回が速いから、まとめられる。
1 日にまとめて 1 回だけ話すなら、年 365 回。13,140 回が 365 回になります。もとの 3% 以下です。
速くしたあとに、残るもの
入力を速くしても、それだけでは足りません。面倒くさがりにとって面倒なのは、入力そのものだけではないからです。
- アプリを探して開く
- 何を食べたか思い出す
- 入力する
3 つ目は声で速くなりました。残るのは最初の 2 つで、これは入力方法をどれだけ速くしても減りません。
だから Bosott では、入力を速くすることと、記録の入口をできるだけ近くに置くことの両方をやりました。

入口を、指の届くところに置いた
具体的には、こうなっています。
- ホーム画面のウィジェットから、直接話せます
- アクションボタン(iPhone の側面のボタン)を押すと、すぐ話せます
- Apple Watch からも話せます
正直に書くと、ウィジェットもホーム画面のどこかにあるので、目で探すことにはなります。手順がまるごと消えるわけではありません。
ただ、「アプリを開いて、話す画面まで移動する」という2段階が、1回のタップになります。そしてアクションボタンに割り当てた場合だけは、画面を見ずに押せます(側面のボタンなので、位置を覚えれば探す必要がありません)。
記録の中身は、こうです。
「えーっと、朝は目玉焼きと、あとコーヒー…あ、違う、カフェオレだった」
このくらいの話し方で大丈夫です。言い直しも「えっと」も、そのまま話してもらえれば、品目とカロリーに分かれて記録に入ります。
実際に自然なスピードで話してみたところ、おおよそ 5 品を 22 秒で記録できるくらいでした。
声を出せない場所もあると思います。その場合は、写真を撮る入口と、文字で打つ入口もあります。ただし基本は声です。いちばん手数が少ないので。

1 日ではなく、1 週間で見る
もうひとつ、続かない理由があります。1 日単位で採点されることです。
その日の目標を守れなかった日ができると、気が重くなります。そして記録そのものが億劫になる。
Bosott には 1 日の目標カロリーがありません。食べすぎた日があっても、ほかの日とならして、1 週間で見ます。
この話は長くなるので、別の記事に書きました。
まとめ
- よくある記録は 1 品に 4 手順。年に 13,140 回の操作になります
- 声なら 1 回が速いので、1 日分をまとめて 1 回で話せます。年 365 回、もとの 3% 以下です
- 残る面倒は「開く」と「思い出す」。入口を指の届くところに置いて減らしました
- 1 日ではなく 1 週間で見るので、食べすぎた日があっても記録が億劫になりません
一度やめた記録を、もう一度やってみる気になったときの受け皿として作りました。